症状別にくわしく知っておきたい!

【認知症の症状4】不眠

 

不眠はさまざまなことが原因となっておこります。

 

ところで私たちはなぜ眠くなるのでしょうか?

 

認知症の不眠の対応法を効果的にするためにも、睡眠と深い関係がある自律神経の働きも確認しておきましょう。

 

自律神経がリズムを作っている

 

私たちはつねに外部の情報を五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)で得ています。

 

外部の環境は常に変化するため、私たちは自分の体を周りに合わせなければいけません。

 

たとえば、

 

気温が暑くなれば、汗をかいて放熱することで一定の体温を維持させる。

 

食べ物が古くなり傷んでしまった物を食べた時は、吐き出したり、下痢などで体外に出す。

 

このように外部の情報を五感でキャッチして生命を維持させています。

 

そして・・

 

その大切な働きを指揮しているのが自律神経です。

 

自律神経の暴走

 

自律神経は健康を保つための原点。

 

この自律神経には2つの神経がシーソーのようにバランスをとることで働いています。

 

  時間帯 働き
交感神経 日の出から夕方まで(昼)

■緊張感
■ストレス

副交感神経 夕方から日の出まで(夜)

■修復
■リラックス

 

 

この2つの神経が昼と夜、それぞれの時間帯になるとバトンタッチされて働くようになっているのです。

 

しかし、現代は昼間に活動している時のストレスが大きくなりすぎ、夕方になっても交感神経から副交感神経にうまくバトンタッチできない人が増えてきました。

 

これが自律神経失調症につながり、そして不眠につながるのです。

 

昼夜逆転のみで対応しない

 

認知症の人は、不安感による大きなストレスのほか、環境の変化、身体の不調などでさらに自律神経の乱れがおきやすい状態です。

 

ときには眠れない夜に、大声をあげたり、徘徊したりすることもあるでしょう。

 

そのようなとき、私たちは目の前の事に困惑してしまい、つい自分からの視点で対応しがちになります。

 

 

たとえば医師や看護師に、

 

 

 

 

 

昼夜逆転になって、夜中に騒ぐので困っています・・


 

 

 

 

このように相談してしまいますと、医師は睡眠薬の投与などで改善させる提案することが多いでしょう。

 

しかし、このときに大切な報告を忘れていないでしょうか?

 

それは、「日中にはウトウトとしているかもしれない」ということです。

 

なぜ、昼夜逆転してしまっているのか?

 

その理由もきちんと伝えなければ適切な対応をすることはできません。

 

 

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日中の過ごし方が大切

 

認知症の人はどうしても活動することが減ってしまうため、その結果、日中からウトウトと寝てしまいがちです。

 

日中は交感神経が働く時間。

 

その日中に眠ってしまえば、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

 

つまり、交感神経と副交感神経のバトンタッチの境目がなくなってしまい、夜になって目がさえてしまう・・ということに。

 

そして、夜の暗闇が、認知症の人が抱えている不安感を増幅させ、大声や徘徊などの症状があらわれます。

 

このようにならないためにできることから対応してみましょう。

【対応例】

 

■日中の活性化をうながす

 

■日中は部屋をできるだけ明るくする

 

■デイサービスなどを利用する

 

■夕方からはリラックスできるよう音楽を流したりアロマを利用する

 

■お腹が空いてる時は寝る前に消化の良い物を食べてもらう

 

■夜間は真っ暗にせず少しの照明はともしておく

 

日中でも蛍光灯を使い、部屋は明るくして交感神経を活発にさせましょう。アロマを併用すると効果的です。

 

デイサービスに積極的に参加することで移動による運動、他の人に会う刺激が加われば、さらに交感神経が活性化します。

 

夕方からは副交感神経の働きを促すために、音楽やアロマなどを上手に使ってリラックスできるようにしましょう。

 

お腹が空いていると寝付きが悪くなります。
そのようなときは、胃腸に優しいお菓子(カステラなど)を少量と食べてもらったり、ホットミルクを飲んでもらうのもよいでしょう。

 

夜間に不安感が押し寄せる場合は、足元を照らすフットライトをつけておいてあげましょう。

 

※アロマを使う場合は効果を高めるために昼は昼用の、夜は夜用のものを使うのがおすすめです。

 

強制はしない

 

日中に活動をすることで夜の睡眠をうながすことができます。

 

しかし・・

 

不眠を改善させるためにと、日中の活動を強制するのはよくありません。

 

日中、強制的に起こされていると、交感神経がそのまま夕方になっても止まらず、興奮状態が続くことがあるからです。

 

一定の睡眠パターンもある

 

介護生活に入ると、本人は今までの生活と同じようにはいきません。

 

できることは減りますが、代わりに何か見つかるかもしれません。

 

そのため、「自律神経のパターンが変わることもある」ということも視野にいれておきましょう。

 

つまり、2日ずっと起きていて、2日ずっと眠る・・

 

このようなパターンでも安定した状態を維持している人はたくさんおられます。

 

私たちにとっては24時間が1日という生活パターンですが、本人の世界では48時間が1日というパターンになっているかもしれません。

 

それなのに、無理やり24時間パターンに戻そうとすると、安定していた状態を崩してしまうことがあります。

 

「24時間で1日である」という固定観念に縛られすぎないことも大切でしょう。

 

睡眠薬の投与は慎重に

 

不眠の解決策として睡眠薬の投与は一番簡単な方法でしょう。

 

しかし、高齢者の場合、睡眠薬の副作用が強く出ることがあり、医師と相談しながら慎重に服用することが重要です。

 

なぜなら睡眠薬の効果が長時間効きすぎて、起きた時にフラフラと転倒してしまうことがあるからです。

 

もしも大腿骨を骨折してしまえば、長期ベット生活になり、それがきっかけで寝たきりになってしまうことも。

 

そして、認知症の症状がグッと進行してしまうこともあるのです。

 

このように・・

 

夜、眠れないからといって、すぐに睡眠薬を服用するのは決して本人のための治療とはいえません。

 

薬を服用する前に、他に対応できることはないか?

 

まず、それを探ってみてから薬の服用を考えるようにしてください。

 

本人と介護人のベストな状態を目標に

 

不眠になっても、夜に騒がず静かにしててくれれば問題ないのに・・という場合も多いでしょう。

 

しかし、それが難しいのが認知症です。

 

そのためには不眠の対応策を練る前に症状を起こしている不安感を軽くしてあげる日々のケアが必要です。

 

(記事参照:認知症の症状の共通点は「不安感」

 

しかし、それでも改善されない場合は、介護をする家族の生活に大きな支障がでることになるので睡眠薬や鎮静薬の服用も考えなくてはいけません。

 

なぜなら本人だけでなくと介護する側も良い状態を維持できることが介護の基本だからです。

 

ですが、先述したように薬の投与によるリスクもあります。

 

その対応法も考えたうえで、医師と相談しならが慎重に服用するようにしてください。