症状別にくわしく知っておきたい!

成年後見制度の利用

 

認知症の財産管理において成年後見制度を知っておくことは重要です。

 

認知症は進行していくため、今現在できていることも将来はどうなるかわかりません。

 

認知症となった親の財産をずっと守っていくためには、日常生活自立支援事業と合わせて、成年後見制度のことも勉強しておく必要があります。

 

成年後見制度とは

 

認知症、知的障害、精神障害などによって判断能力が低下した人の、財産や権利を法律的に支援する制度です。

 

認知症で判断能力が低下してしまうと、本人が病院の治療、入院の手続きや契約、介護保険の利用手続きや、福祉サービスの利用などをおこうなうことが難しくなります。

 

成年後見制度を利用すると、本人に代わってそれらの手続きや管理をおこなうことができるのです。

 

成年後見制度は2種類

 

成年後見制度の種類は2種類あり、本人の状況によって選択します。

 

【任意後見制度】

 

■認知症を発症したが、現在はまだ軽度で判断能力がある状態。

 

将来的に、症状が進行していき、身の回りの財産管理などができなくなった時にそなえて、代理人をあらかじめ決めておくこと。

 

【法定後見制度】

 

■認知症の症状が進行し、判断能力が著しく低下した状態。

 

家庭裁判所に管理していく代理人を選定してもらいます。

 

成年後見制度の申立てをすることができるのは、本人、配偶者、親族(4親等内)に限られます。

 

申立てに必要となるもの

 

申立てに必要な書類や費用は以下になります。

 

■申立書(家庭裁判所、裁判所ホームページ、家事手続情報サービスなどから入手)

 

■診断書(同上)

 

■申立て手数料(1件につき800円の収入印紙代)

 

■登記手数料(2600円分の収入印紙代)

 

■郵便切手

 

■本人の戸籍謄本(本人の本籍がある市町村役場で入手)

 

 

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日常生活自立支援事業となにがちがうのか?

 

成年後見制度の他に、認知症などによって、判断能力が低下した人の財産管理をするためのサービスに日常生活自立支援事業があります。

 

(記事参照:認知症を狙う悪徳業者から親を守る!

 

では、日常生活自立支援事業サービスと成年後見制度のちがいはなんでしょうか?

 

 

日常生活自立支援事業と成年後見制度のちがい
■日常生活自立支援事業 日常的な生活援助の範囲内
(具体的な内容)

■日々のお金の出し入れ
■通帳、印鑑などの預かり
■福祉サービスの利用手続きをサポート
■施設入所などの利用相談、手続き、契約サポート

■成年後見制度 財産管理、生活全体的に関する法律的な範囲
(具体的な内容)

■不動産の売却
■遺産分割

 

このように、日常生活自立支援事業が本人の日常的な身の回りに関しての範囲に対して、成年後見制度は不動産の売却など、法律的に関することが代行できます。

 

併用していくのもあり

 

認知症がわかった時点で、本人に不動産などの財産がある場合は、家族会議のときに、成年後見制度のことも話し合っておくとよいでしょう。

 

また、日常生活自立支援事業サービスと成年後見制度の両方を併用していく手段もあります。

 

たとえば、遠距離に住む親族が後見人になった場合、日常生活自立支援事業はそのまま継続して、身の回りの世話(お金の出し入れ)などを代行してもらうなど。

 

このように日常生活自立支援事業サービスと成年後見制度を併用していくことも視野にいれてみると良いでしょう。

 

すべての身内、そして何よりも本人のために

 

財産の問題は慎重に対応していかなければいけません。

 

介護がスタートしてしまえば、日々のことに追われてしまいます。

 

いざ、「施設入所のために家を売りたい!」という時になって成年後見制度を知り行動するよりも、前もってこのような制度があることを知っておくことは非常に大切なこと。

 

より良い介護とは本人の幸せはもちろん、介護を受け持つ家族や、周りの親族すべてが幸せであることです。

 

財産の問題はこじれてしまうと、どんなに強い身内の絆も引き裂いてしまう力があるもの。

 

そうならない対処として、これらの制度があることを視野に入れた上でしっかりと話し合っておきましょう。

 

また、これらのサービスや制度は、なによりも本人のためになることを一番に考えて上手に利用したいものです。