症状別にくわしく知っておきたい!

認知症の検査で何をするのか?

 

認知症の検査はメモリークリニックなどの専門医院、または大きな病院の物忘れ外来、認知症外来、老年科などで受けることができます。

 

では、具体的にどのような検査をするのでしょうか?

 

心に余裕をもって受診するためにも、前もって把握しておきましょう。

 

まずは予約から

 

かかりつけ医や、地域包括センター、ケアマネージャーから認知症の専門医を教えてもらった後は事前に電話で予約を入れましょう。

 

その時にあらかじめ、

 

 

 

 

 

認知症の疑いがあるので検査をお願いしたいのですが


 

 

 

 

と、このように伝えておきます。

 

認知症の検査は時間がかかるため、前もって伝えておくことで検査に必要な時間をとっておいてもらうためです。

 

また、かかりつけ医からの紹介の場合は、忘れず「紹介状」を書いてもらいましょう。

 

大きな病院になると、紹介状がなければ特別料金がかかる場合があります。

 

【検査内容】

 

認知症の検査は大きく分けて以下の5つをおこないます。
(認知症はアルツハイマー型、血管性型、レビー小体型などのタイプに分かれるため、診断方法の詳細は異なる)

1.問診

2.診察
3.心理テスト
4.画像検査
5.血液検査

 

順番は病院によってちがいますが、だいたいこのような流れで検査がおこなわれていきます。

 

問診

 

認知症も他の病気と同じようにまずは問診から始まります。

 

ですが、その前に忘れずに事前に準備しておいた本人の情報メモを医師に渡しましょう。

 

(記事参照:認知症の受診前に準備しておきたいこと

 

情報メモを見れば医師も本人への問診が運びやすくなります。

 

一般的に医師は以下のような質問をすることで診断の判断材料にしていきます。

 

だいたいの質問内容と判断基準
質問内容 判断基準
物忘れの自覚 ■後で思い出す心配のない物忘れなのか、すっぽりと忘れてしまい気づいていないのか
時間、場所の間違い

■今日の日付がいえるかどうか
■どうやってきたのか
■ここがどこなのかわかっているか

日常生活でできなくなったこと ■トイレの水を流す、服の着方など、長年やってきて体が覚えてしまっていることをできなくなっているか
判断力の低下 ■むずかしいことではなく簡単なことでも判断ができないかどうか
行動と心の変化 ■質問した時の反応、落ち込んでないか、イライラ、興奮していないか

※必要に応じて運動機能をチェックすることもあり。

 

このような本人に対する問診の時は、付き添っている家族は口を挟まず、後ろに控えておきましょう。

 

質問にうまく答えれないことも大切な判断材料になるからです。

 

本人の問診のあと、客観的な意見も重要ですので、付き添いの家族も以下のような質問を受けます。

 

■周りの家族はどのような症状で困っているのか?

 

■家族構成などに変化があるのか?

 

このような質問をされて、もし本人の前で言いたくない事柄があるときは、事前に準備しておいたメモに書いておきましょう。

 

またメモに書いておいたことでも、さらに口頭で詳しく伝えたいことはしっかりと補足説明をしてください。

 

診察と一時的な診断

 

問診や家族から聞いた情報をもとに医師は認知症の疑いがあるかどうか?以下の3つのポイントを基準に一時的な診断をします。

 

1.記憶障害がみられる

 

2..失認(周りの認識ができない)、失語(うまく話せない)、失行(慣れた行動ができない)、実行機能障害(段取りがわからない)

 

3.これらのことが原因で日常生活や人間関係に支障をきたしている

 

これらのポイントにあてはまると、一時的ですが「認知症の疑いあり」と診断されます。

 

 

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心理テスト

 

病院によって順番が異なりますが、問診や診察に合わせて、認知症をチェックするスクリーニングテストがおこなわれることがあります。

 

スクリーニングテストは、長谷川式スケールやMini-Mental-StateExamination test(MMS)を使うのが一般的です。

 


認知症スクリーニング検査MMS

得点 質問内容

テスト1
5点(各1点)

■今年は何年ですか
■今の季節は何ですか
■今日は何曜日ですか
■今日は何月ですか
■今日は何日ですか

テスト2
5点(各1点)

■ここはなに県ですか
■ここはなに市ですか
■ここはなに病院ですか
■ここは何階ですか
■ここはなに地方ですか(例:関東地方)

テスト3
3点(各1点)

物品名3個(相互に無関係)
検者が物品名を1秒間に1個ずつ言い、患者に繰り返させる
正答1個につき1点。3個すべて言うまで繰り返す(6回まで)

テスト4
5点(各1点)

100から順に7を引く(5回まで)
あるいは「フジノヤマ」を逆順させる

テスト5
3点(各1点)

(テスト3)で提示した物品名を再度復唱させる

テスト6
2点(各1点)

■(時計をみせながら)これはなんですか?
■(鉛筆をみせながら)これはなんですか?

テスト7
1点

次の文章を繰り返す
「みんなで力を合わせて綱を引きます」

テスト8
3点(各1点)

(3段階の命令)
「右手にこの紙をもってください」
「それを半分にたたんでください」
「机の上に置いてください」

テスト9
1点

次の文章を読んでその指示に従ってください
「目を閉じなさい」

テスト10
1点

なにか文章を書いてください
1点

次の図形を描いてください

23点以下は認知症機能の低下の疑いあり
引用元:認知症と向き合う本/宮澤由美著

 

画像検査

 

画像検査では脳がどのような状態になっているのかを精密に調べていきます。

 

認知症の画像検査
CT検査

■脳の萎縮や変形をチェック
脳にエックス線をあて撮影し、脳の状態をみる。

MRI検査

■脳の萎縮や形態をチェック
機械に横になり強力な磁場で体の内部構造をみる。
(約20分程度)

SPECT、PET検査

■脳の血流をチェック
検査のための注射をし、脳内の血流状態をみる。
(約30〜40分)

 

血液検査

 

血液検査によって以下の病気がないかチェックをします。

 

■糖尿病

 

■肝硬変

 

■腎不全

 

■高脂血症

 

これらの病気が隠れていると認知症とまちがえる症状が出るためチェックをおこないます。

 

できるだけ明るい雰囲気で

 

家族が本人を連れて認知症の検査を受けさせるまではさまざまな葛藤と悩みがあったはずです。

 

ついつい、その思いを医師に伝えたくて、何とかしたくて・・辛く重い空気になりがちです。

 

ですが、検査は本人のためのものであり、これからの生き方を決めるものです。

 

家族の不安な気持ちはグッとこらえて、検査はできるだけ明るい雰囲気で行えるように励ましてあげてください。

 

最初の受診が悪い印象になってしまうと、その後の診察を嫌がってしまうかもしれません。

 

結果は非常に気になりますが、本人の気持ちをまず第一に考え、しっかりと支えてあげましょう。